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2016年3月27日日曜日

なんだか今日は感傷的に、廃屋と私と黒い犬とバトミントンのラケットを語っております。

廃屋というのは当然
最初から廃屋だったわけではないんですよ。
そこは確実に、生活したり商売したりした
人間、家族が存在していた場所だったわけで。

それが、ある日を境にふっと人間が去り、
その場所だけが時の流れから遮断され、
まわりのみんなから徐々に
忘れ去られた空間となっていくです。

月日が経ってその場所が突然解放され、
時がいきなり今・この時に早回しされて
解体される廃屋として我々の目に飛び込んできた時、
これが何とも言えない寂しさを感じるんですなぁ。

数年前近所の廃屋が解体されたんですが、
解体途中の家の中を覗いてみると
ここで育った子供が遊んだであろう
おもちゃのバトミントンのラケットが
ホコリだらけの床に転がってるのが見えましてね。
なんともせつなかったですね。


前々から話題にしていた上田城跡公園前にある
観光会館横の元骨董屋兼住居の廃屋。
解体が始まってます。更地になるようです。

裏から見てみると、もうかなり壊されてますね。
早く解体しちまえ、なんてずっと言ってましたが、
いざ、解体途中のこんな様子を見ちゃうとね。
ここで商売していた人は今何やってるんだろう、
ここで育った子供は今どこで何をする大人に
なってるんだろうって、余計なお世話な
ノスタルジーに浸っちゃうんですなぁ(笑


私だってこの黒い犬だって、いつかは死にます。
その時、この街のどこかにある
我々が住んでいた建物は廃屋となり
やっぱり時が止まった空間となるんでしょう。

放置されたその場所に、私や黒い犬の居た痕跡を
ちゃんと残しておきたいって気持ちもあるし、
そんなもの残してしまったら後片付けする人や
その後そこに住むかもしれない人には
いい迷惑だからやめとけって自分をたしなめたり。

あと50年もすれば
街なんてガラッと変わっちゃうんだろうし、
私の生きた証も黒い犬の生きた証も
どうせ跡形も無くなってるんだろうけどね。

せめて誰かの記憶にだけでも残ることができれば
あの世でもシアワセかもしれないねぇ。


これからしばらく近所の子供に、
私と黒い犬がいかにナイスガイなふたりなのかを
無理やりガツンと刻みつけておこうかしらん(笑



上田の中心で利己的な愛を叫ぶ。

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