認めたくないこと、認めざるを得ないこと。

実はですね。

最近ニコさんが人間に対して吠える

ようになりましてね。

今まで、遠くの怪しい人影に吠える

ことはありましたが、至近距離の人

に対して吠えるなんてことは一切

ありませんでした。

ここしばらく、通りの脇から早足で

出てきた人に対して吠えたり、

自転車置き場の横を通り過ぎる時に

自転車に乗って出発しようとする人

に吠えたり、会社に訪ねてきた人が

ドアを開けた途端に吠えたり、と

いうことが何度か起きています。

自分の目の前に突然現れた人に

吠えるんですが、実はこれ、全然

「突然」ではないんですよ。

もっと事前に気づけたはずの

タイミングで気づけてないんです。

加齢によって前よりも周りに対する

注意力が落ちている可能性もあるし、

目が見えづらくなってる可能性も

あります。

随分前から目の中心が白濁し始めて

いるのは私も認識しています。

いずれにしても、間違いなく彼が

歳を取ってきてるということを認め

なければなりません。

私ができることは、なるべく彼を

驚かせないこと。

脇から人が出てきたときはすぐに

立ち止まりその人との距離を保つ、

会社に来客があったら彼より早く

気づいて注意をそちらに向けない

ようにする、ということを心がけ

なければいけないと思います。

周りの皆さんに恐怖を与えることは

もちろんあってはいけないですし、

彼に精神的な不安を与えることも

避けなければなりません。

「人間大好き」という本質はなんら

変わっていませんし、彼に「人間は

自分を脅かす奴ら」という間違った

認識を植え付けたくないですから。

身体能力も認知能力も落ちて当然

の11歳。

そんなに年寄り扱いしたくない

という気持ちもまだありますが、

しっかりと対処すべきことは対処

していかないといけませんね。